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西国巡礼
西国巡礼
――三十三所の歴史と現代の意義――
西国三十三所札所会監修
文・絵;
五叟鐵太郎(ごそう・てつたろう)

四六判並製本 本文368ページ
(地図・イラストはオールカラー)
本体価格 2,500円(税別・送料サービス)
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草創1300年!
日本人の巡礼の原点とその思想・哲学を現代に活かす



西国三十三所巡礼は、世界の巡礼の中でも独特な光彩を放つ。日本人の巡礼の原型であり、幾つもの巡礼文化を生み出してきた。また、京畿の名だたる寺院で構成され、国宝級の堂塔や仏像類をはじめ、境内やその周囲の風景も見事な寺院が多い。本書では、三十三所寺院の紹介はもちろん、観音巡礼の黎明期(飛鳥時代)からの歴史を追いつつ、各時代の巡礼思想や哲学、巡礼が流行した経済的な背景などを俯瞰。さらに現代に活かす巡礼の意義や価値までも考えていく。


〈西国巡礼とは〉
近畿地方の代表的な観音霊場を巡る「西国巡礼」は平成30年(2018)に草創1300年を迎える。伝説では、奈良時代に長谷寺を開基した徳道上人が、人々が地獄に堕ちることのないよう閻魔大王との約束で「33の観音霊場巡り」を広めようとしたのが始まりとされる。しかし、人々は観音巡礼の功徳を信じなかったため、徳道上人はその弘宣をやむなく中断。270年後の平安時代前期に、花山法皇によって再興されたと伝わっている。史実としては、平安時代後期に、園城寺(三井寺)の高僧が33の観音霊場を巡ったのが始まりとされ、当初は僧侶の修行の一環であったが、室町時代中期頃から庶民の参加が目立ちはじめ、江戸時代には物見遊山を兼ねながらの観音巡礼が大流行する。そして現在においても、33の観音霊場の全てがその法灯を守り続け、現代人に巡礼の醍醐味と意義を伝え続けている。


〈本書の構成〉
いまこそ慈悲の心を・序にかえて 西国三十三所札所会 会長 鷲尾遍
序章 世界の代表的な巡礼と西国巡礼――巡礼の定義・類型と21世紀の動向
第1章 紀州から和泉、河内を経て大和へ――7世紀から9世紀の三十三所巡礼の黎明期を探る

 青岸渡寺・金剛宝寺(紀三井寺)・粉河寺・施福寺・葛井寺・南法華寺(壷阪寺)・岡寺・長谷寺・南円堂(興福寺)
第2章 宇治から洛中、洛外へ――10世紀から13世紀の観音霊場形成期を探る
 三室戸寺・上醍醐准胝堂(醍醐寺)・正法寺(岩間寺)・石山寺・三井寺(園城寺)・今熊野観音寺・清水寺
 ・六波羅蜜寺・六角堂頂法寺・革堂行願寺・善峯寺
第3章 丹波から摂津、播州を経て丹後、若狭、近江、美濃へ――14世紀からの庶民化と現代の意義を探る
 穴太寺・総持寺・勝尾寺・中山寺・播州清水寺・一乗寺・圓教寺・成相寺・松尾寺・宝厳寺(竹生島)・長命寺
 ・観音正寺・華厳寺
終章 現代における西国巡礼の意義と価値――三十三所の歴史をさらに鳥瞰し、今後を探る
番外 西国三十三所の創始と再興の物語――徳道上人と花山法皇の伝説を探る

 法起院・元慶寺・花山院菩提寺
〈西国三十三所地図や各札所の境内図付き。各寺院のワンショットをイラストで描写〉


*姉妹刊に、「坂東巡礼―三十三観音と心の法話」(坂東札所霊場会監修/文・絵 五叟鐵太郎)があります。
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